解答用紙でみる入試問題の推移

こんにちは,茅ヶ崎で生まれ育った個別指導の学習塾「神奈研MANABIYA」の桑原です。
暑い日が続きますが峠は越えたような感覚はあります。もう少しの辛抱でしょうか。

ところでみなさんは「最近の入試(公立高校)は難しい」というような話を耳にされたことはありませんか?
結論から言えば,概ねその通りだと思います。
暗記偏重であった昔の入試に比べて「考えさせる」ことに主眼を置いた作問が多くなっているためです。
ただ最近では年により難易度にかなりタテぶれがあるのも事実。

ではここ10年の入試問題の変遷を,社会科の解答用紙を並べ追ってみたいと思います。

いきなりですが,やるとしたらどれが一番イヤですか?

大半の方はH26と答えるでしょう。当然かと思います。
あきらかに他と比べ異質です。それにしても5年間隔でずいぶん見た目が変わっていますね。

資料を見比べ,思考し,それを表現する。そんな力をみるには記述の問題は欠かせない。
国の方針に沿うこともあり,このようにまるで国語の答案(横書きですが)のようになりました。
ちなみにこの頃は国語の問題にも100字弱の作文問題が2問ありましたが,今は30字程度が1問あるだけです。
他にも英語では英作文が3問,数学は全証明があったり・・考えてみればあの頃の受験生は大変だったなあと思います。

記述という視点だけでみれば,どの科目も今はすっかり軽くなっています。
なぜなのでしょう。

大変だったのは受験生だけではなかったようです。
採点する高校の先生方はそれはそれは苦労されたことでしょう。
採点ミスが問題になったこともあり,その後急速にマークシート化(H29より)と記述系削減に向かいます。
ちなみにH31の答案用紙は実際には選択部分は全てマークシートです。

では平均点はどれが一番低いと思いますか?

やはりH26だと思われる方が多いでしょう。 が,実は一番右(H31)なのです。
合格者の平均点は古い順に61.8,49.5,42.5点でH31の方が7点も低いのです(H21は50点満点だったので2倍しています)
もっと驚くべきは,似たように見えるH21とH31で平均がなんと約20点も違う!ことです。

最近中学では平均点を公表しないことが多くなりましたが,中学校のテストで平均40点というのはあまり見かけません。
30点以下の子がゾロゾロいないとでてこない数字ですから。
では何がそんなに難しいのか。

例題を1題あげてみたいと思います。

この問題の正答率は15.6%です。
8択なのでくじ引き感覚ではなかなか当たりません。この選択肢の多さも平均点を下げている一因です。
公民の経済分野で為替相場を学習します。そのときに円とドルの関係で例示されることが多いので,
応用の利かない子は円が出てこない時点で「参った」となります。


正解した子の多くはユーロを円に置き換えた上で「ユーロ安」と判断し,通貨量がどうなるとユーロ安になるか?
輸出するときはどうなのか?などを持っている知識を使い,考えきることができたのでしょう。正答は7番です。
このように複数の知識を組み合わせた問題が多くなっています。
ですから解いてみると見た目よりはるかに疲れます(--;

最後に今年2月,最新の問題はどうだったのでしょう。

体裁上のことも大きいですが,見た目完全に前年のH31似です。
しかし平均点は58.2点。なんと1年で約16点上がり10年前の平均に近くなりました。
当然中身も基本的な知識を問うものが多く,ずいぶんと軽くなりました。
実際当日受検した生徒からも「社会がびっくりするほど簡単だった」の声もありました。

ちなみに昨年は理科でも同様のことが起きています。元々社会も理科もある年突然「超」がつくほど難しくなった経緯があります。
うーん,これはもうロシアンルーレット状態。来年の入試も何かが大きく変わるのか・・
きっと安易に山をかけたりせずしっかり勉学に励みなさい,ということなのでしょう。

さあ受験生のみなさん,手は抜けませんよ。教科書片手に地道に積み上げていかないと!

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